東京女子医科大学看護学会The Nursing Research Colloqulum of Tokyo Women’s
Medical University

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第18回学術集会ご参加への御礼

第18回学術集会大会長 川崎敬子
企画委員一同

10月1日(土)第18回東京女子医科大学看護学会学術集会をオンラインで開催いたしました。テーマを『患者の望みをつながる意思決定支援』と致しました。少子超高齢社会に入り、人生100年と言われる時代になりました。地域包括ケアシステムを構築し、自宅に戻り、地域で過ごすための関わりがますます重要となってきています。患者が医療やケアを選択する際に、これまでの人生を見つめ直し、大切にしてきたことを踏まえ、地域に戻り暮らすために多職種で検討していきたいと思い、企画いたしました。

大会長講演では、八千代医療センターでの入退院支援や多職種カンファレンス、倫理コンサルテーションチームの活動の紹介等、これまでの取り組みを発表いたしました。

大会長講演(座長の次期大会長青木雅子氏と)

特別講演として、大阪大学人間科学研究科教授の村上靖彦氏より「ケアとは何か-看護師のケアとヤングケアラー-」についてご講演いただきました。現象学の視座から私達のケアを紐解いていただき、ケアリングの意味や価値を改めて実感できる機会となりました。

特別講演(村上靖彦氏)

教育講演では、看護師でコラムニストである宮子あずさ氏から「まとめないACP 整わない現場、予測しきれない死」をご講演いただきました。多くの方々を看取られたご経験から、どんなに準備しても思った通りにはならない現場を踏まえACPへの理解を深めるとともに、私達自身の死生観をみつめ直す機会になりました。

教育講演(宮子あずさ氏)

シンポジウムでは、学術集会のテーマである「患者の望みをつなげる意思決定支援」について、急性期病院で脳卒中看護認定看護師の佐藤清美氏からは、患者の「家に帰りたい」気持ちを汲み、多職種で実現した取り組みのお話をいただきました。また、慶応義塾大学病院で精神看護専門看護師として高齢者認知障害サポートチームの活動をされている河野佐代子氏からは意思決定能力評価と支援についてご発表頂きました。訪問看護の豊富なご経験をお持ちの八千代市のまちのナースステーション統括所長の福田裕子氏からは独居で生活する高齢者を地域の皆で見守り最期まで暮らしを支えた事例をご報告いただきました。富山県南砺市民病院で内科・総合診療科長を務められ、病院家庭医として活動されている大浦誠氏には、『マルモカンファレンス』から多職種アプローチの重要性をご講演いただきました。それぞれの立場からの臨床の実践を通じた意思決定支援についてご発表いただきました。

座長(吉武久美子氏)とシンポジスト(時計回り:河野佐代子氏、大浦誠氏、佐藤清美氏、福田紀子氏)

市民と医療者との対話型ワークショップでは、東京慈恵会医科大学附属柏病院総合診療部長教授三浦靖彦先生より「対話をとおして自分らしい人生を考えよう」と題したACPのワークショップを、もしバナマイスターの中村恵先生と『もしバナゲーム』を使用して行っていただきました。他者の価値を知り、また、隠された自分の価値に改めて気がつき、自分らしい人生とは何かを考える機会になったと思います。

ワークショップ講師の三浦靖彦氏
もしバナゲームのマイスターの中村恵氏

一般演題では、学生の演題を含め18演題を研究発表、実践報告を1か月間オンデマンドで配信しました。全プログラムを通して、様々な臨床の場面での患者の尊厳と意思決定について考える機会になったのではないでしょうか。学会には260名の方にご参加いただきました。テーマやプログラム全体について、アンケートに回答いただいた89.1%の方に「良かった」とお答えいただきました。多くの方にご参加いただき、ありがとうございました。

最後に、学術集会を開催するにあたり、多くの御寄付やご支援を賜りました企業の皆様、同窓会の皆様、関係者の皆様、ご協力いただきました企画委員や実行委員の皆様に深く感謝申し上げます。