東京女子医科大学看護学会第20回学術集会のご報告と御礼
東京女子医科大学看護学会第20回学術集会
大会長 吉武久美子
10月5日(土)に開催されました東京女子医会大学看護学会第20回学術集会にご参加いただき、また、格別のご支援を賜りましたこと、誠にありがとうございました。
本学術集会は、第20回記念大会で、5年ぶりの対面となる弥生記念講堂にて開催されました。当日は、240名を超える皆さまにご参加いただき、活気あふれる女子医大の看護の魅力を味わっていただけた学術集会となりました。参加者の皆さま、講演の方々、シンポジストの方々、交流集会での演者の方々、研究発表者の方々、座長の方々、企画委員、実行委員、ボランティアなど、学会運営を支えてくださった方々、すべての皆様に、深く御礼申し上げます。
本学術集会は、「つなぐ力と創造する看護‐これまでとこれから‐」をテーマに、節目の大会となるため、これまでの本学会や教育、看護実践の歩みを振り返った上で、多様な人(世代)、領域をつなぐ場を設定し、参加者の皆さまがこれからの看護を創造する機会にしました。
看護におけるつなぐ力と創造する力について、合意形成の視点から述べた大会長講演に続いて、基調講演では、福井トシ子先生(国際医療福祉大学院副学長)にご講演いただきました。未来から現在を反射することで、VUCAの時代、人生100年時代といわれる今、看護職は病院だけにとどまらず、地域でも多様な分野をつなぐ機会、集う・育つためのしかけづくりをすることの大切さを考える機会になりました。教育講演では、原圭史郎先生(大阪大学大学院教授)より、「フューチャー・デザイン」の考え方をご教示いただきました。「仮想将来世代」を導入した意思決定のモデル等は、長期的な未来からの考察で、看護のキャリア等にいかせる要素がちりばめられていました。交流集会では、東京女子医科大学病院・附属足立医療センター・附属八千代医療センターから、専門職としての看護の力について、各領域の特徴と魅力をご提示いただきました。現場の看護職と学生等の参加者とをつなぐ機会によって実際の看護の理解をより深めることができました。研究発表は、学生も臨床実践家もご発表くださって、多くの成果から実践への示唆や研究意欲がわくセッションでした。第20回記念公開シンポジウムでは、日沼千尋先生(天使大学教授)、近藤芳子先生(東京女子医科大学病院看護部長)、河合麻衣子先生(東京女子医科大学病院看護師)、カザウィ恵理先生(東京女子医科大学附属足立医療センター看護師)にご登壇いただきました。本学会20年の歩みについて教育、臨床を通して振り返り、教育と臨床とがつながりあう活動を共有し、これからの看護の展望する機会となりました。
本学術集会が皆様にとって、これまでの軌跡を振り返ることで、女子医大の教育と臨床の連携という看護の魅力が受け継がれていることを実感し、これからの未来に向けて新しい価値を創造する契機になれば幸甚です。第20回学術集会を盛り上げていただきました全ての皆さまに、心より御礼申し上げます。
大会長講演(吉武久美子氏) 基調講演(福井トシ子氏)